予想される出来事
GMが、”支援してくれなかったら潰れちゃうぞ” と言って脅しても米国政府がなかなかウンと
言わないのも、パナソニックが三洋電機を子会社化するのも、
この先にある一つの流れを理解すれば何となく読めてくる・・今日はそんな予想できるお話。
もちろん、三洋電機が誇るHIT太陽電池が欲しいという理由もさることながら、私が思うのは
”電気自動車”です。
このところの原油高で一気に加速している感のある電気自動車ですが、このコーナーで何度も
言っている通り、”電池さえあれば”電気自動車をつくることは比較的簡単なことなのです。
だって、プラモデルはみんなモーターと電池だし(笑)
あのフェルディナント・ポルシェ博士が1900年に最初に作ったのは電気自動車だったし、
誰が考えても、”良い電池さえあれば”動力はモーターの方が簡単です。
しかし、なかなか良い電池の開発は出来そうになかったので、世界は内燃機関へと向いていった
のですが、内燃機関=エンジンというのは恐ろしく難しいメカなのに、それでも”良い電池”を
開発するよりは現実的に見えた、というところがこの”電池”の難しさを表していますね。
ピストンやリング、カム、クランクシャフト、バルブ、オイルポンプ、ディストリビュータ、
点火プラグ、キャブレターetc etc・・
あんな複雑なもの考える方が、電池考えるより現実的だったなんて(!)信じられないわ、全く。
そうです、ずっと長いこと”良い電池”は未来の夢だったわけですが、
”リチウム・イオン電池”の登場により、この人類の夢はまさに現実になりつつあるわけです。
はっきり言って、自動車用リチウム・イオン電池を征する者が、これから四半世紀の自動車産業を
征するのは間違いない。
三洋電機を飲み込むパナソニック、GSユアサなどはこのノウハウで世界を席巻しようとしています。
この電池さえ量産できれば、実用的な電気自動車は出来てしまう。
逆に言えば、これを外国に獲られたら沈没しますよ、日本は。
GMは、電池の供給先を含めて、この先の電気自動車の開発能力にも疑問符がつくので、
米国政府も ”果たしてここで支援しても・・” と二つ返事にならないスタンスだし、
パナソニックは、この充電電池の得意な三洋電機を取り込むメリットも大きい。
とにもかくにも、この狂乱原油高が次の世界を見せてくれたことは間違いありませんね。