太陽電池の品不足
暑さ寒さも彼岸まで・・と言いますが、全くそのとおりで今日などは少し寒い朝で、
秋本番と言った感じです。
冷え切った日本のプロ野球とは違って大リーグは燃えていますが、我が松井選手
はバテバテでボテボテのゴロばっかし。少々お寒い状況。
その寒い季節に太陽電池の需要だけはヒートアップ気味で、その需給状況は非常
に厳しい品不足状態に陥っておるのであります。
原因は、ドイツでの需要急増も合わせて、太陽電池生産量に対してシリコン材料
が極端に不足しているとのこと。
元々、太陽電池の多結晶セルは、半導体業界で使用するシリコン結晶の端材を
購入してそれを再融解・鋳造を行ってシリコンの塊(インゴット)を作り、それを
切って、スライスしてハムみたいに作っているんです。
そのシリコン(Silicon)とは珪素(Si)のことでありまして、まあ砂の中に混じっている
どこにでもある物質です。
(注:皆さんご存知のあのゴムみたいなのは、シリコーン(Silicone)と言います)
でも半導体チップなどに使うシリコン結晶は、純度が99.999999999%(これ、適当
じゃなくて、9 が11個並んでイレブン・ナインの純度と言われます)
ノルウェーやブラジルで産出する高純度の石英が最も多く使われて、
このケイ石を繰返し精錬することでやっと材料になるんだそうです。
こうなると、この原料作るのは実は簡単な話しじゃなくて、もちろんシャープさんや
三洋さんの仕事じゃなく、山掘るような業界のお仕事なわけです。
設備も大掛かりで投資額もハンパじゃない。設備が出来るまでに何年もかかる・・
と言うわけで、今までは半導体業界の端材で間に合っていた太陽電池用のシリコン
材料は、もう端材だけでは足りなくなってしまって、かと言ってそのためだけに
設備を自前で作るだけの自信もなかった・・ああ、もうそうしないと間に合わない、
と慌てて設備投資をしてもらったけど、安定的な供給開始にはもう少し時間が
かかる・・・
これが今回のシリコン不足騒動の真相であります。
と言うわけで、現在注文から納品まで2〜3ヶ月かかると言うことでお客様には
たいへんご迷惑をおかけしております。
こうなったら、私の机の上にあるシリコン結晶の端材、提供しようかな・・・
塙のアタマみたい