続・暖房器
「今年は暖冬」って言ってなかった?気象庁さん。
どこがやねん、とばかり一転「厳冬」です。
日本海側は大雪で、新潟では大停電、お見舞い申し上げます。
冬の関東にいると、なんか”うしろめたい”感じがあるんですよね、私。
・・・・・・・
さて、前回の暖房の経済性の話の続きです。
灯油の値段、リッター70円!とかになってますから、暖房の経済性にも大きな
変化があります。
COPって何?と言うことも含めての解説です。
1.COPって何?
Coefficient of Performance=エネルギー消費効率のこと。
消費電力1kWあたり何kWの冷房・暖房能力を引き出せるかを表す値。
自動車の燃費のようなもので、この値が高いほど効率が良いと言えます。
COP(エネルギー消費効率)=冷房・暖房能力(kW)÷消費電力(kW)
与えたエネルギー以上の出力は出せない、って思ってました。
だからこういう数字は1以下だって思ってました。これでも技術屋でしたから。
ニクロム線ヒータのように、電流を流すことで自分が発熱するだけのものは、
COP=1です。オイルヒータやパネルヒータも1程度のもんです。
でもヒートポンプって優れものなんです。
自分で発熱するわけじゃなくて、冷媒の気化や液化の性質を利用して、
”熱を移動”させます。
それで、暖房の時は外気の熱を部屋に移動させて室外機からは冷気を出し、
冷房の時は逆で、室内の熱を外に放出するわけです。
誰が考えたか、アタマのいい人がいるもんですなぁ・・感心。
とすると、1kwの消費電流で、4kwの暖房能力とかが可能になり、
それをCOP4と言います。ダイキンのHPを見ると、4以上はあるようです。
2. 暖房に使うエネルギー
暖房に使うエネルギーは、ストーブの能力なんかを調べて、約2.5kwとします。
だいたい10畳くらいの部屋を暖めるのに必要な能力です。
朝 7時から、夜の9時までで14時間とします。
まあ、その間ずっと全開で暖房してるわけじゃないでしょうが、
計算上そうしておきます。
とすると、暖房能力として2.5KW×14時間=35KWHの仕事。
kcalの方がわかりやすい方には、30,100kcal
さて、各暖房機器の能力を見ると以下のようになります。
電気ヒータ COP=1 暖房能力1kwh= 860kcal / 1kwh消費
エアコン COP=4 暖房能力4kwh= 3440kcal / 1kwh消費
灯油ヒータ 暖房能力 8240kcal / 灯油1リッター消費
LPガスヒータ 暖房能力 29300kcal / ガス1㎥消費
これを、14時間運転のコストに換算すると・・
電気ヒータ 暖房35kwh=電気35kwh消費=¥770(@22/kwh)
エアコン 暖房35kwh=電気8.75kwh消費=¥192(@22/kwh)
灯油ヒータ 暖房30100kcal=灯油3.65リッター=¥226(@70/L)
LPガスヒータ 暖房30100kcal=ガス1.03㎥=¥616(@600/㎥)
私の計算では、一番安いと思っていた灯油も。リッター53円以上になると、
ヒートポンプエアコンに勝てない、と言うことです。
但し! これはあくまでそれほど気温の下がらない関東地方などのお話
であって、外気温度が7℃から2℃に下がるとエアコンの暖房能力は
20%ほど低下すると言うことも覚えておかねばなりません。
極寒地では、絶対的な暖房能力としては「火を燃やす」にはかなわないことも
知っておくべきですね。
3.環境負荷はどうなのよ?
電気はクリーンとか言うけど、発電所でバンバン石油燃やしてるんだから
エアコンは効率悪い、と仰る方もいらっしゃいます。
確かに。でも、発電所の発電効率は35%くらいですから、COPが3以上なら
効率的には直接燃やすのと同等以上になるということですねぇ。
・・・・・・
技術の進歩と、原油高のように世界を取り巻く環境が変化すると、
世の中は変わって行きます。
いつの間にか、エアコンのCOPが4とか6とかになっていることに サプライズと
尊敬。
いつの間にか、灯油の値段がリッター70円になっていることにも サプライズと
憤慨。
でもこの原油高が、また技術の進歩を加速させたりする事を祈って、
メリークリスマス!
耐震偽装、煙突は大丈夫かとサンタも不安!
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