燃料電池の今後

1月7日、当HP30000hit達成しました。ありがとうございます。
30000ゲットの方は、今年はきっと良いことあります、大吉相当ですから。
きっと後光が差してるような方だなぁ・・これからもよろしくお願いします。
・・・・・

さて、今日は燃料電池の今年を占う、です。

燃料電池(FUEL CELL)は、水素と酸素を反応させることで電気を作り、
その時に水しかできない究極のクリーン・エネルギーとして、もう何十年も前から
研究が行われています。

これが出来れば、今のCO2温暖化ガスの発生はゼロで、水素も酸素も無尽蔵に
あるし、全てが解決だぁ・・と誰もが思っていました。

これが出来りゃ、太陽光発電もハイブリッド・カーも、もう過去の遺物だ、みたいな
事まで言ってる人もいましたよね。

昨年来、自動車会社がこぞって燃料電池自動車の試作車を発表して公道でテスト
したり、東京ガスが家庭用燃料電池システムを試験的に一般家庭に納入したりして
いますので、その”時代”はもうすぐそこまで来ていると、誰もが感じたものです。

が、しかし、どーも最近雲行きが怪しい !?

今日はそのあたりを解説しましょう。

1.本気で水素を使うのか?

  皆さんご存知のように、水素と言うと爆発を連想しますわね。
  あのドイツの飛行船ヒンデンブルグ号の事故を連想してしまいますが、
  (あれは実のところ、水素爆発ではないらしい)

  実は、水素は爆発の危険よりも、その扱いが難しい。
  水素は-253℃で液体になります。
  逆に言えば、そこまでしないと液体になりません。

  気体のままじゃ嵩張るし、すぐどっか行っちゃうし、かといってガソリンやLPガス
  のように液体としてタンクに貯蔵するのは、とても難しいわけです。

  今あるガソリンスタンドを、水素スタンドにするのは、実は大変なこと。
  そういう社会資本(インフラ)にお金がかかりすぎます。
  
  というわけで、水素そのものを自動車燃料なり、家庭用ボンベとして貯蔵する
  ことはえらく難しいわけです。
  
  そこが簡単に行かない大きな理由。

2. 「改質」という方法

  じゃあ諦めるのか、というとそうではなく実はガソリンも都市ガスも天然ガスも
  水素と酸素の化合物なので、そこから水素を頂くか・・と考えるわけ。

  技術屋はしつこい(笑)

  例えばメタンを改質して水素を取り出す、とはこういうこと
  そうか、そうすれば出来るじゃない!とお思いでしょ。

  でもね、そうするとCO2出るんです。

  燃料電池は水素と酸素を反応させて、電気と水しかできないと思っていたのに、
  こんなところでCO2 !

  あらららっ、です。

  自動車の場合、一番手っ取り早く改質で水素をっ取り出すなら、ガソリンを
  使えばいいのはおわかりのとおり。
  でもそうすると、CO2出るわけです。
  
  じゃあ何もそこまでして燃料電池にしなくても、トヨタのハイブリッドでいいじゃん、
  十分CO2少ないよ、と言うのが実は今の最も多い意見だったりして・・

  東京ガスが実験的に供給している「家庭用燃料電池システム」は、
  都市ガス使ってます。メタン(CH4)なら、炭素1個に水素4個で効率的!って。
  おいおい、水素分子1個(H2)つくるのに、二酸化炭素(CO2)1個できるのね。

  これってなんだか微妙・・


3. 最終的にどうやって水素作るの?

  扱い方さえ確立すれば、水素を直に使うに越した事はありません。
  さあ、それでは水素をどうやって作るの?

  水を電気分解すればいいじゃない。 ごもっとも。
  でもその電気分解に使う電気を、火力発電所で火を燃やしたんじゃ、
  何やってるかわからなくなります(笑)

  そう、このへんがややこしい。

  で、一番良い方法は「太陽電池」使うんですね。
  ようやく戻ってきた・・
  そう、あのホンダが太陽電池やりだしたのも、実はこの経緯らしいです。

・・・・・・・・
家庭用の電源を考えた場合、遠くの発電所から大きな送電ロスを覚悟で電気を
送るよりも、各家庭で必要な時に必要な量の電気を直接つくるほうが効率的です。

これを「分散電源」と言います。

昼間は屋根につけた太陽電池で発電をし、陽が落ちたらガスを使う燃料電池
システムに点火。燃料電池の反応時に出る熱でお風呂や暖房を賄えば、
かなり効率的なエネルギー供給が可能になります。

おそらく、近い将来はこの構成が標準的になるのではないかと思いますが、
今まで説明した理由で、燃料電池の急速な普及には問題が多すぎます。

やはり燃料電池の本格的な普及には、おそらく10年くらいの時間が必要でしょう。

それ以前には、まずモバイル用などの携帯電源が普及し、自動車用として
小型化技術がもまれている間に、家庭用が給湯と一緒になってガスで普及し、
その間に自動車用がどっちで行くか決まって、徐々に一大産業になっていく・・

と言う感じでしょうか。
考えていたよりも普及に時間はかかりますが、次の時代の大きな産業になることは
間違いないですね。

でも、そうなっても一度設置してしまえば燃料のいらない太陽電池は残っていくと
考えてます。

さあ、次は自動車の今年、いきましょー。


          松下さんの家庭用FC


  
   

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