謹賀新年2007

神奈川県の正月は「箱根駅伝」がいい。

毎年1月2日に東京大手町をスタートして、片道5人のランナーが一人
20km強を受け持ち一路箱根を目指し、帰路は翌3日、今度は箱根から
また東京大手町に戻ってくる伝統の駅伝だ。

大会記録は、
往路108.0kmが2003年・山梨学院大の5時間31分06秒。
復路109.9kmが2002年・駒沢大の5時間28分47秒である。

復路のタイムを単純にマラソンに換算すると、2時間6分07秒となり、
高岡寿成選手の日本記録2時間6分16秒よりわずかに速いことになる。
人間業はだいたいこの辺に落ち着くみたい。平均時速20kmの世界だ。

陸上の世界には、一部の金メダリストを除いてプロの華々しい世界はない。
私も高校時代は陸上部に在籍したが、陸上競技の長距離はキツイ。
何が楽しいのか、と人に聞かれるが確かに苦しいばかりである。

なにせ毎日毎日、走るだけなのである。

毎日毎日が修行僧のようである。走っている時は他にすることはないので、
(そらそうか)いろんな事を考えることになる。思慮深くなるはずだ。


個人競技では、その結果が名誉であれ、屈辱であれ、全てが自分だけの
もので負けても自分の力がなかったというだけの話なので諦めもつく。

団体競技では個人の結果が勝敗の行方に大きく影響することはあるけれども、
そういうシーンは試合中何度もあるから、全てそいつの責任にはならない。

しかし、駅伝は厳しい。

自分の走る区間で何人に勝った負けたはっきりしてるし、中継のアナウンサー
にまで「大ブレーキ」などと言われた日にゃ、先輩に合わせる顔もない。

正月は映画やビデオなんて見なくても、箱根駅伝は充分泣けるのである。

・・・・・

彼らはまだ大学生だが、実社会は全くこんな感じである。

一人一人が全力で自分の責任を果たさないとチームは勝てない。
やたら速い一人のエースがいるよりも、10人粒の揃った穴のないチームが
最後は勝つことも多い。

外国では、日本人ほど駅伝やリレーに面白みを感じないらしい。
あれはただ単に何人のタイムの合計というだけだろ?という感じ方だそうだ。

なんともったいない”欧米か!”

一人が皆のために責任を感じ、チームで穴を埋める努力をして、突出した
エースがいなくても、強いチームを作り上げるなどというのは日本人で
ないと出来ない、理解できない芸当なのだと思う。

そんなことに気付かせてくれる、素晴らしき”箱根駅伝劇場”だ。

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全然関係ないけれど、
トップと併走してるホンダの燃料電池自動車も、立派に完走して良かった。

というわけで今年もこの能書きにお付合いください、太陽光日記です。


 

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