水素エンジン車
あのBMWが、こんな展示をしているというのでお台場にいってみました。
これは、先日BMWが発表した、「水素エンジン自動車=普通のエンジンを少し改造
してガソリンの代わりに水素を燃やすエンジン車のこと」の展示です。
この自動車、BMW Hydrogen 7 (ハイドロジェン・セブン)と言い、
ベース車両は、BMW 760i。 V型12気筒 5972cc 260psのエンジンで、
液体水素タンクとガソリンタンクを両方持ち、スイッチひとつで切り替えが出来ます。
ガソリンタンクは、74リッターで航続距離は最長500km。
水素は、中身8kgの液体水素タンクに詰め込み、こちらの航続距離は最長200km。
エンジンの外観は水素用吸気管を除けば、普通のガソリンエンジン。
トランクは液体水素タンクが占領。
自慢のタンクを床の鏡で見れます。
展示の”予言”では、
2010年には、数千台の水素自動車が走り回る。
2050年には、新車登録台数の1/4が水素自動車に、とあります。
・・・・・・
う〜ん、と私はそこで唸ってしまった。
(北京オリンピックで3000台の水素自動車を走らせるっていうのも、別の意味で
こわい話だ)
果たしてBMWの予言は当たるのだろうか・・
私が2007/2/25号の太陽光日記で書いてから、実は水素時代に対して疑心暗鬼に
なっておるのであります。
天下のBMWに盾突いて、無事にいられるのかどうかわかりませんが、
私の疑問は、次のとおり。
1.まず、水素がもう既にそこにあったとして、そこからの効率で考えても、
水素エンジンは、燃料電池+電気モータの効率に及ばないはず。
2.水素作るのに電気分解で作るとしたなら、その電気で直接電気自動車
動かした方が、断然効率いいはず。
3.圧縮水素ならまだ話はわかるが、液体水素はマイナス253℃以下(!)にして
ないといけないわけでどんな断熱材入れたとしても、実用的な方法とは
思えない。
それに、少しずつ蒸発しちゃうはずの水素は棄てちゃうんだろうか・・?
う〜ん、もっといろいろあるけどこのヘンでやめとこ。
・・・・
21世紀になって、さあこれからは燃料電池車だと大騒ぎして、すぐにでも主役に
なると言われたのに、マジメに、水素作る時のエネルギーの大きさのこと考えたら、
そう簡単な話じゃねーわな、と気づいてしまったわけで、
でも、そんなややこしいこと言わないで誰よりも先に水素で動く(原理はどうあれ)
クルマ発表した方がインパクトあると踏んだのかな。
でも、やっぱり少し無理があるような・・
誰よりも先に、こういう技術をモノにしたことには大いに尊敬しなくてはならないのは
間違いないとしても、少々(?)も先立つ水素エンジン車でありました。
・・・・・・・
夏休みの宿題の小学生のに混じって参加した水素エネルギー展、
予約で満杯という2台の試乗車は、何事も無く走り回っており、
あれって、排気管から水蒸気しか出してないのね、と思うとやはりそれはそれで
尊敬ですね(遅いか)
お台場、夏休みの自由研究でございました(中学生時代に比べてスレたもんだ、
私も・・素直さながないわな)