流氷
今から24年ほど前のちょうど今頃、当時の仕事の出張で北海道に何回か行きました。
出張と言っても、自動車の寒地試験ですから、よしゃいいのに北海道でも一番寒いところを
選んで行くんです。
何百kmも試験走行しながら、メインの試験は網走で行います。
当時は映画のキタキツネ物語なんかが上映されたので、能取岬なんかでキタキツネを
気が付くとあっちにもキタキツネ、こっちにもキタキツネ、おまけにアザラシなんかまで
ついその辺の流氷の上にいるんで、写真は・・・まあいらねーかと、そんな感覚になる
くらいでしたね(笑)
そしてこの地域は流氷で有名なところで、私が行った時もかなり大きな流氷で海が
埋め尽くされていました。
・・・・・
今日、ここの流氷のことをテレビで流していましたが、今では何だかすっかり流氷が
薄っぺらくなって、今ではその上を歩くのも危ない(落ちちゃうから)らしいですね。
ご存知のように氷は比重が0.9くらいなので、(塩分はこの際無視して)
海水面より上に出ている部分は約1割程度になりますから、
水面上に見えている氷の量が小さくなっているということは、水面下では驚くくらいの氷が
なくなっているということで、流氷の下に潜りゃあ一目瞭然なんでしょうけども。
どーにもこーにもヤバイんでねーのって。
ちなみに、最近よく質問されるのでここらで一度言っておきますが、
温暖化で流氷が溶けても海水面は上昇はしません。
アルキメデスの原理でしたか、あえてここで計算はしませんけど、水コップの氷が
溶けてもコップの水は溢れません。
海に浮いている氷ではなくて、陸地の上の氷が溶ければ海水面は上がります。
しかし最も影響が大きいのは、水温が上がると水が膨張して水位が上がることです。
ある試算では、2100年には気温が現在より1.4~5.8℃上昇して、
海水の膨張で27cm上昇、その他で約42cmほど水位があがると予測しています。
自分の家が水没するかもしれん、とお悩みの方は、この国土地理院の地図をどうぞ。
(左上の検索画面ボタンから行ってください。海抜何mか、わかる人はわかります)
・・・
しかしこの先、海水面がどんどん上昇していったら、「海抜」ってどうなるの!?