世界陸上
高校時代に陸上をちょっとだけ経験したので、以来世界陸上には胸踊るものがあります。
ボルトのフライングを見て、日本人ならあり得ない失敗だけども、あんなところで
やっちまうくらいでないと、世界の桧舞台で記録なんか出せないのかもしらんと、妙に
納得したりして。
日本人ではこうはいかない。田舎の後援会に無様な姿は見せられないしなぁ、
こんなとこでフライングなんかしたらスポンサーも怒るだろうなぁ、来年の契約はない
と生活困るぞ・・国民栄誉賞も当然消えるし、だいいち成田にどんな顔して帰るんだ・・・
なんて考えてたら筋肉ガチガチのまま100m終わってしまうわ。
確かにあのくらい脳天気でないと、いかんのかもしらん。
もひとつ、時代は変わりつつあると感じるのが、一昔前に比べて米国の金メダルが激減
してるんじゃないか、ということ。
我々の世代にとっては、とにかく何でもかんでも金メダルと言えば米国と相場は決まって
いて、金メダルを獲った米国人選手は”当たり前”という表情をしていたのに、
今では、2位でも米国国旗持って場内一周!
少し前の世界水泳もそうだけれど、この世界陸上では短距離ではジャマイカ、長距離は
ケニヤあたりが圧倒的に速くて、米国は実に影が薄い。
かつて米国は、経済力で圧倒的な強さを誇り、ドルは不動の世界の基軸通貨であり、
言ってみれば米国は苦しくなったら、いくらでもドルを刷りゃ良かったわけで、
その経済力を背景に、スポーツも宇宙開発も何もかも段違いのレベルを維持して来た。
しかし、湾岸戦争あたりから兵器バブル、ITバブルなんかを仕掛けるようになってしまい、
そして禁断の不動産バブルはもう末期的症状。そしてリーマン・ショックを機に、ドルの立場は
非常に危ういものになりつつあり、今回の米国債格下げでも危やデフォルトという、少し前には
想像もつかない状況に追い込まれてしまった。
オバマさんも生きた心地がしなかろう、と妙な同情までしてしまう始末。
(いや日本人はそんな暇はない。こっちこそ尻に火がついてるんだった)
そして米国がぐらついている中、世界中が中国の成長(バブル)に乗っかって、
いろんなことに目をつぶりながら、「もう少しがんばってね」みたいな刹那的な快楽に
浸っているという現状は、冷や汗以外の何物でもない。
とかく際どい世界情勢でありますが、実はかくいう日本が一番地盤沈下してるわけで、
野田さんも気を確かに持って(笑)、ビビらずにやってもらいたい、と
室伏くん言ってあげてくれ。