オンライン登記 完結編
変更登記を申請して、受付済、となってから、はや2週間。
ステータスは審査中のままなんの変化もなく、なんだか心配になってきた。
これだけステータスが進まないというのは、何か不備があるってことだと思い始める。
ここでようやく法務局のサイトで調べると、この手の申請が受付けてから終わるまでは1週間ほどらしい。
意を決して、管轄の法務局に電話する。
「あの~、受付番号〇×△ですが、2週間ほど審査中のままなんですが・・」
「少々おまちください」
「ああ、添付頂いた届け出の原紙が到着するのを待っている段階ですね」
「原紙、ですか?」
「そうです、その届の方の電子認証を付けて頂くか、郵送頂くか、その到着を待っての手続きになります」
「あの~、私が電話しなかったらずっと進まなかったということですか?」
「そうなりますね」
そうなるんだそうである。
それを言ってくれれば手間でもないのに、ただ待っているだけなのか?(苦笑)
そもそも原紙ってのが意味がわからない。
この添付した届出用紙は、法務局のサンプルからダウンロードした書式に私がキーボード打ちした書類である。
印鑑を押す箇所もない。
その原紙って、そちらでプリントアウトしてくれれば同じだけど?
釈然としないながらも原紙とやらをプリントして、郵送した。
なんでこんなことになったのか。。おそらくだが、昔は印鑑を押す箇所があったのだろう。
その頃は捺印された原紙の意味があったのだろうが、
それが少し前に、例の印鑑廃止運動が進んでから印鑑欄だけがなくなり、
しかし原紙送付だけは残ったのだろう。
なんとも〇ヌケなルールである。
・・
そしてようやく完了かと思いきや、そうは問屋が卸さない。こうなるともはや修行である。
今度はステータスに「補正」とやらが登場した。
役所関係の使う単語は、だいたい意味がわからない。
補正と言えば、私にとっては大気圧補正とか、物価上昇率補正とか別因子の影響を補正するのか
と思うが、役所的には「間違いを直す」ことらしい。
これも原紙と一緒に言ってくれれば一回で済むのに、一つ直してやっと次の問題である。
要は変更登記にかかる費用を申請書に私が書いてなかったから、
「補正」して再提出しろ、ということらしい。
手続き完了の際に、請求頂ければいいと思うんだが、そうではないらしい。
そしてこれにも、例の電子認証をつけないといけない。
・・
もう限界である。
幾多の困難を乗り越え、もはや何をしてきたのかも記憶にないが、費用を電子納付して、ようやく完了。
オンライン申請をしようと始めてから3週間。
確かに出来るは出来た。
しかし、もう一回やれるかと聞かれたら自信はない。
要するに、オンライン申請と言っても、一般市民が誰でも簡単に目的を達成できるものではないのだ。
市民の手順簡略化とかサービス向上の一環ではなくて、あくまで役所の手順に電子的に添わせるためのものである。
デジタル庁とやらが発足したけれど、おそらく何年もかかって、各省庁でバラバラの書式と手順に
統一感を出すだけで精一杯だろう。
一般市民のためのシステムになるまでには50年くらいはかかるんではなかろうか。
日本のデジタル化の道険し。溜息しか出ない。