ハイブリッドの理屈
錬金術じゃなくて、世のため人のために何かを生み出す人生でありたい、
と思う今日この頃であります。
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自動車の今年を占うつもりが、今日はハイブリッドの理屈。
ハイブリッドの前に乗っていた燃費がいいはずの直噴2.5Lのワゴンの燃費は
リッター8kmくらいでしたか。
ハイブリッドにしたら平均でリッター18kmくらいで、燃料代は二分の一弱。
CO2排出量もニ分の一弱。
私は年間2万kmほど走るので、2500リッター使っていたのが、1111リッター
しか使わない。金額にしても1389リッターの節約で16万円以上の差。
ハイブリッドが燃費良いというより、普通のクルマの燃費はなんであんなに
悪いの? と、私は感じてます。
私が思うに、ガソリンエンジンって自動車に向いてないんじゃないかと。
あんなにエンジン好きだったのに何をいまさら・・(笑)
この際、加速性能とかカタログ馬力とかを無視して、50km/hを燃費良く
走るように車作りなさい、と言われれば、たかだか3馬力でいいわけで、
ここに燃費率の目玉をもってくれば、リッター50kmはいきます。
排気量200ccくらいで、回転もせいぜい3000回転もありゃいいです。
でも、
これじゃ加速しないわ、発進の時の極低速で力なくてエンストするわで、
排気量は10倍に。
おまけにカタログに馬力載せるんだから、6000回転ブン回して・・・
排気量200ccが2000ccになり、3000回転でいいところが6000回転
回るようにして、力余ってるのでスロットルバルブを絞りに絞って、
これでは燃費いいわけないのです。
このエンジンで、発進停止、加速減速を繰り返すとリッター8kmに。
こういうことです。
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さてハイブリッドの発想の原点は電気自動車にあると説明しました。
でも、電気自動車ではバッテリーが大きくなってしまって現実性がない。
バッテリーを山ほど積む代わりに、小さなエンジン積んで発電機回して
電気作りながら走ればバッテリーもそんなに積まなくていい。
発電機回すポイントで効率が良いエンジンにしてやれば、燃費も相当
良いはず。
こうやってシリーズ方式やらパラレル方式やら色んな種類のハイブリッドが
開発されてきました。
そして、プリウスではエンジンを小さめの1500ccのアトキンソン・サイクル
にして最高回転も4000回転に抑えて、発電だけでなく動力にも
エンジンの力を使う方式になっています。
クルマが停止している時はエンジンはかかっておらず、モーターの強大な
発進トルクでスタートします。
エンジンの苦手なゾーンを過ぎたところでエンジンが自動的にかかり、
効率の良いゾーンで動力にも、発電にも使っていきます。
エンジンの燃費を悪化させるゾーンでは、できるだけモーターを活躍させ、
ブレーキ時にはモーターを発電機にして電気を回生させます。
エンジンの運転、停止などの制御は、日本人らしいきめ細かさが
随所に見られます。
そんなこんなで、リッター18km。
えらいもんです。
他メーカが燃料電池車の開発に全力を注いでいる間に、その前に
ハイブリッドが来るよと言っていたら、思いがけない原油高がやってきて、
燃料電池前に全世界でひとり勝ち。
ああ、何と世のため人のため・・
次回は、ハイブリッドの弱点とディーゼル乗用車のおハナシ。