宇宙用太陽電池2
わざわざ私が鹿児島まで打ち上げを見届けに行きましたM-Vロケットには、
太陽観測衛星が搭載されていて今頃は太陽電池を広げて発電していることと
思います(見てないけど)
さて、宇宙用の太陽電池は我々が扱っている太陽電池と何が違うのでしょうか?
少し調べてみましたので紹介します。
宇宙用は全然違うものかと思いましたが、基本的には地上用と同じ
シリコン系と、地上用ではあまり見かけないガリウム・砒素系が主流です。
しかし、宇宙空間は大気がないので、放射線量が地上に比べ非常に多い、とか
温度差が激しいとか、太陽光の波長が違うとか、軽くしなけりゃいけないとか、
高い信頼性が必要だとか、厳しい要求があるようです。
放射線が多い宇宙空間では、その放射線がシリコン結晶基板に欠陥を
作り、そこに移動中の電子がつかまってしまうそうで徐々に発電量が落ちて
くるので、それを防ぐために、或いは軽量化のために、セルを50ミクロンくらい
に極力薄くして電子の移動距離を少なくして劣化を防いでいたり、
あとは、宇宙空間では温度差が激しく(太陽光が当たればプラス100℃、
当たらないとマイナス180℃)その繰り返しに耐えるような、構造なり材質で
なくてはいけないし、
地上とは到達する太陽光線の波長も違うので、発電に不要な波長は
カットするコーティングをしたりしているそうです。
・・・・・・
そんな苦労を重ねながら、何年もかかって信頼性を確保して、地球民生用
に技術を転用したりしてきています。
なんでもそうでしょうが、技術は1日にして成らず、多くの人々の地道な情熱と
努力と気合で成り立っています。
サッカーは勝てなくても、ゴルフでも勝てなくても、
日本には技術があるじゃないか!と思い直す今日このごろです。
JAXA HPよりSOLAR-B