お役所の省エネ
私の会社は機械装置のメーカーなので、毎年その関係の許認可の更新が必要
です。
その手続きはかなり面倒なのですが、こんなものを行政書士さんにお願いする気に
もならず、毎年自分で書類を作って提出に行っているのですが・・・
今年は、何点か変更届けが必要で、まあ一回では終わらないだろうと思ってはいた
ものの、予想よりはるかに多くのご指摘を頂きました。
「まずは、ええと・・〇〇の変更ね・・・ええと・・・まずいなぁ・・ここの欄は許可年月日
を書かないとダメなんだよなぁ・・なんなんだこの日付はぁ・・・・」
「許可証の発行日を書くんじゃないんですか?」
「いやいや、許可年月日は、この日付だよ、ここの、ホラ」
「でも、許可されたのはこの発行日でしょ?そうじゃないんですか?」
「いや、違うんだよ、こっちだよこっち・・・ええとそれから、ここもこの日付じゃないと
マズイんだよなぁ・・これはナニ?」
「いや、ですからそれは今日の日付を書きましたけど・・」
「いや今日じゃダメなんだよなぁ・・・ああっと、それから登記簿謄本はこの前のヤツ
を取ってもらわないと、ダメなんだよなぁ・・・」
「はあ、じゃあまず日付の件は、この日付を書くんですね。
それで登記簿謄本は昔のを取るんですか??」
「そうだよ、だってそれがないと5年の実務経験は証明できないからねえ・・」
「いや、これは2年前に提出した登記簿謄本を見ればわかるじゃないですか」
「いや、昔提出したのじゃダメなんだよなぁ。今の取ってもらわなきゃ、今のぉ」
「はあ、じゃあもう一回法務局に行けばいいんですね。はあ〜、わかりました。」
「ええと、それと、これはね、正、副、と入力用の三部必要なんだよね、三部」
「ええっ? 入力用の欄はこの下にあるじゃないですか? もう一部コピーが
要るってどこに書いてあるんですかぁ???」
「エヘヘヘ・・」
・・・・
あなたも必ずこういう経験をされていると思いますが、日本全国こうです(笑)
その事務所の5m横にあるコピー機さえ使わせてくれず、100m先のコンビニに
走らねばなりません。
書類を書く目的は、必要な情報を書くということのはずなのに、
必要な情報が一体何であるのかさえ、わからなくなるほど多くのどうでもいい事を
書かねばなりません。
おまけにその書類を書くために一冊¥700もする「手引き」なるモノを買え、という
わけです。そしてどうやってその頁を見つけたのかわからないくらいの小さな注記を
指差して、「ここに書いてあるでしょ?」と軽蔑の眼差しを頂くわけです。
そしてもしその「2006年度版手引き」を熟読して、2007年に完璧な書類を持って
行ったとしても、必ず今度も勝ち誇ったようにこう言われます。
「この様式は今年から新しくなったんで、去年までの様式は使えないんだよねぇ・・
2007年度版の手引きに書いてあるでしょ!」
・・・・・・
こうやっていれば、未来永劫仕事がなくなることもないし、
お客さんが来なくなる心配も要らない素晴らしいシステムです。
さんざ怒られて、階段を何回も昇り降りして、もう一度法務局に行ってきたりした
挙句、例のありがたい赤い「受領済」のスタンプに深々とお礼をしてやっと放免。
そして帰りの薄暗い廊下で、張り紙を見つけるのです。
「省エネのため、照明を一部消しております。」
・・・・あんたらね、大きく間違ってるよ!