秩父の水力発電

群馬出張の帰りに、いつもと違う道を通りたくて奥秩父、雁坂トンネルルートを
勝沼に抜けるいわゆる”秩父往還”というルートを通ってきました。

また秩父地方は絹織物(秩父銘仙)の産地であったことから「絹の道」と呼ばれる
こともあるんだそうで、こうやって寄り道をすると、学がつくなぁ。

このあたりは、文字通り ”山ん中” で、水資源も豊富なことからダムや、
水力発電所が多いので有名です。

いつも太陽電池をもって、再生可能エネルギーの代表みたいな話をしておりますが、
実は、この水力発電こそ再生可能エネルギーの権化みたいなもんです。

昔の人は、昔からの一大事業である治水や、公害を出さない発電のことを考えて
ダムや水力発電所を開発してきたんだと思いますが、最近では環境破壊などと
言われて悪者扱いもされました。

”脱ダム宣言”のようなセンセーショナルなフレーズは、その場結構ウケルもの
ですが、良く考えれば水力発電所は、稼動後はCO2を出さない”いいもん”だと、
私は思いますけどね。

後年は石油をバンバン燃やす火力発電所が主流になってしまいましたが、
私はこの水力発電所って、何だか上品で好きです。

・・・・・

水力発電というのは、山の上に水を貯めておいて、それを一気に山の下まで
落としてきて下に置いた水車を回して、その水車に取り付けた発電機が電気を
発生するものです。(あまりに当たり前の説明だったか)

山に降る雨は、絶えず高いところに自然に溜まり、それを集めて下に流すだけで
発電できるわけですから山と雨の多い日本には向いています。

最近では、自然に高低差を確保できる場所は開発され尽くしているようで、
それでも余り気味の深夜電力を使って水を高所に揚げて、夏の昼間など電力需要
が多い時に、一気に落として発電する”揚水発電”などでも活躍しています。




      


この辺ではいくつもあるようですが、鉄の導水管を使った大洞発電所がこれ。
私の生まれ年、昭和33年に建設が開始されたんだそうで、昔の人はエライっすね。

何だか説明されなくてもすぐわかるこの構造(笑) シンプルでいいです。
当時は工事が大変だったでしょうが・・




      


もう少し雁坂トンネル側に新しく出来た(もうすぐ完成?)滝沢ダムとループ橋です。
秩父側から来ると、下の方からこのループ橋をクルクル回って140m上のダムの
上流側に抜けます。
この土木技術にも、関心しますな。 ようこんなデカイもん作るわ・・



というわけで、初めて通った秩父往還。


山と水という日本の資源のありがたさと、昔の人々の知恵と非常な努力を
が偲ばれる、修学旅行のような帰路でした。

昭和33年頃に作られたあの鉄管とか、私の血管とか、そろそろ破れなきゃいい
んだけどなぁ・・と笑えない感想もあったりして。。。。




 

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